ぎっくり腰になる時は、いきなりぎっくり腰になると思っていませんか。
実はぎっくり腰はいきなりなったりはしません。
ぎっくり腰は筋肉が徐々に硬くなり、硬い筋肉がある一定以上蓄積した時に発生します。
ぎっくり腰の原因
ぎっくり腰は2つの段階を経て発症します。
- 姿勢が悪くなる
一般的には姿勢が悪いことが、腰痛の原因だと思われていますが、そうではありません。あなたは腰が痛い時にどんな姿勢をとりますか?
腰を反らすよりも、少し前屈みなるのではないでしょうか。この前屈みの姿勢の程度が軽い状態を猫背だと思ってください。
日常生活の中で背骨の前側についている筋肉が硬くなると、背筋をまっすぐに伸ばそうとすると硬くなった筋肉が引っ張られて辛くなるので、少しでもツッパリをなくそうと前かがみになります。これが気がつくと猫背になっている状態です。 - 耐えられなくなった筋肉が一気に硬くなる
猫背の状態が続くと、背中側の筋肉は、体が前に倒れないように絶えず上体を支えるために力を使い続けます。
負荷がかかり続けている状態ですので、今度は背中側の筋肉が徐々に硬くなります。
硬い筋肉は縮んだままの状態をキープしていますので、筋肉としての仕事をしなくなります。そうなると上体を支えることができる筋肉が徐々に減って、硬くなっていない動ける筋肉の負担がどんどん増えます。
そして、その負担に耐えられなくなって動ける筋肉が一気に「バチン!」と硬くなる瞬間が訪れます。
その時に一気に多くの筋肉が硬くなるので、周りの組織に大きな負荷がかかり炎症を起こします。
これが、ぎっくり腰になるメカニズムを簡単に説明したものです。
ぎっくり腰の痛みの感じ方の変化
硬く縮んている筋肉が増えると、パチンと一気に硬くなることができる筋肉が減ってきます。
その為、初めてぎっくり腰になった時と、複数回ぎっくり腰になった経験がある場合とでは痛みの感じ方が変わってきます。
初めてぎっくり腰になった時は、おそらく身動きが取れないくらい痛かったのではないでしょうか。これは一気に硬くなる筋肉が多かったので、それによって引き起こされた痛みも多かったのです。
ところが、ぎっくり腰の回数を重ねると、最初から硬くなっている筋肉が多くなる反面、一気に硬くなることができる筋肉が減るので、激痛というよりも、より重い鈍痛を感じるようになります。
更にぎっくり腰を繰り返すと、その鈍痛が消えることがなくなり、慢性的にずっと腰回りが重く痛い状態になります。
ぎっくり腰になったら
ぎっくり腰になった回数が少ない人ほど、痛みが強いという話をしましたが、この痛みの感じ方によって、ぎっくり腰の対処方法は変わります。
激痛で動けない時は
ぎっくり腰になって全く動けない時は、炎症が起きています。
無理に動こうとせずに、少しでも痛みが楽になる姿勢を見つけて安静にしてください。
炎症の痛みは怪我をした時と同じ痛みですので、3日~1週間ほどで引いてきます。
痛みが引いてくると、ほとんどの方は「ぎっくり腰が治った」と考えるのですが、決して治ったわけではありません。
ぎっくり腰になったということは、確実に硬い筋肉が増えていますので、以前よりもさらにぎっくり腰になりやすくなっています。
次のぎっくり腰になる前に、硬くなった筋肉を本来に柔らか戻すようにしてみてください。
腰に激痛が走る病気もあります
病気などが原因で、腰に激痛が走ることがあります。病気が引き起こす腰の痛みについては、「腰痛と病気」のページで詳しく書いています。
少しでも思い当たる節がある方は、一度病院で診断を受けてみてください。
痛みがあるけど、動くことができる場合は
痛みがあるけど動けるときには、ぎっくり腰を引き起こしている筋肉を緩めてあげるだけで、だいぶ楽になります。
自分でも筋肉を緩めることができる、「セルフ筋肉チューニング」という方法もありますが、ぎっくり腰の場合は特定の姿勢をとると痛みを感じてしまう可能性がありますので、ご自身で緩めるよりもセラピストに緩めてもらう方がいいでしょう。
*クリックすると様々な箇所の筋肉のセルフ筋肉チューニング動画が掲載されている「UROOM Instagram」が見れます。
硬くなった筋肉を本来の柔らかさに戻すには
硬く縮こまった状態の筋肉のことを、私たちは「筋拘縮」と呼んでいます。
この、筋拘縮を解除して、本来の伸び縮みができる状態に戻す方法は、非常にシンプルです。
ほとんどの方は硬くなった筋肉を伸ばして緩めようとしますが、その逆のことをします。
つまり、筋拘縮の筋肉を伸ばすのではなく、たるませてあげるのが1つの方法です。
具体的な方法についは、こちらの記事をご覧ください。
ぎっくり腰の原因となっている筋肉
ぎっくり腰を改善するためには、二つのアプローチをする必要があります。
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- 直接痛みを感じている筋肉を緩める
- 直接痛みを感じている筋肉を硬くしてしまった大元の原因になっている筋肉を緩める
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- 普通であれば、直接痛みを感じている筋肉から緩めるイメージがあるかもしれませんが、私たちはどちらかというと大元になっている筋肉から緩めていきます。
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- 大元の原因となっている筋肉を緩めてからでないと、直接痛みを感じている筋肉をいくら緩めても、再び硬くなってしまう可能性が高いからです。
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大元の原因となっている筋肉
大腰筋・小臀筋・腸骨筋
直接痛みを感じている筋肉
腰方形筋・腰腸肋筋・胸最長筋・多裂筋
ぜひご相談ください
いかがだったでしょうか?「ぎっくり腰は癖になる」の正体は「硬い筋肉の蓄積」ということをがお分りいただけたのではないでしょうか。
ぎっくり腰を一度でも起こしたことがある方は、いつでもぎっくり腰になる可能性があります。
もし、ぎっくり腰でお悩みでしたら、一度私たちにご相談ください。