腰椎椎間板ヘルニアで起きるのは痛みではない
腰痛の原因の一つとして、腰椎椎間板ヘルニアが挙げられることがありますが、椎間板ヘルニアは慢性腰痛の原因ではありません。椎間板ヘルニアが腰痛の原因でないということは、何度かお伝えしてきましたが、今回は犬の椎間板ヘルニアの動画などをご紹介しながら、実際に椎間板ヘルニアになったらどうなるのか、また椎間板ヘルニアで痛みが生じるケースと、慢性腰痛の本当の原因について書きたいと思います。
一般的に言われている、椎間板ヘルニアで痛みが生じるメカニズムは次の通りです。
果たして、本当にそうなのでしょうか。
椎間板ヘルニアになってしまった犬の動画を見てみましょう。
いかがでしょうか。
この動画のミニチュアダックスフンドは椎間板ヘルニアでこのようになってしまったそうですが、痛がっていますでしょうか。もし痛みがあるのでしたら、このように動き回れませんし、痛みで震えていたり、動くたびにきゃんきゃん鳴いてしまうはずです。
ところが動画のミニチュアダックスフンドは痛みを感じる様子はなく元気に動き回っています。他の元気な犬と違うのは下半身が麻痺しているという点です。
こちらのダックスフンドは犬用の車椅子を使っていない状態です。やはり下半身の麻痺はありますが、痛みを感じている様子はありません。
神経を圧迫して起きるのは麻痺
ここのサイトでも何度もお伝えしていますが、神経を圧迫したり、刺激を加えても痛みやしびれは発生しません。これは医科大学の実験でも確認されていることなのです。
では、神経が圧迫されるとどんなことが起きるのでしょうか。神経が強く圧迫されることによって電気信号が伝わらなくなると、麻痺がおきます。椎間板ヘルニアで起きる可能性があるのは痛みやしびれではなく、運動麻痺や感覚麻痺なのです。
腰椎椎間板ヘルニアでも痛み出ることがある?
痛みや痺れが出ないとは書いたものの、実は椎間板ヘルニアで痛みがでるケースもあります。こちらのマルチーズの動画をみてみてください。
キャン!と鳴いた後痛みで打ち震えてほとんど身動きが取れなくなってしまっています。このマルチーズも椎間板ヘルニアなのだそうですが、痛みを感じないはずの椎間板ヘルニアでどうして痛みを感じてしまっているのでしょうか。
ヘルニアになった直後は怪我をした時と同様、炎症が起きている
椎間板ヘルニアは椎間板の中心にあるゲル状の髄核が周りの線維輪を突き破って飛び出した状態です。飛び出した直後は怪我している時と同じ状態ですので、炎症が起き痛みが生じます。
3個目の動画のマルチーズは痛み止めによって痛みが消えています。またしばらく日にちが経過すると痛みなく元気に動けるようになってきました。これは飛び出した椎間板が麻痺を起こすほど神経を圧迫していないので、ヘルニアになった直後の炎症がおさまった時点で痛みが消えて元気に動き回れるようになったのです。
人間でもこの状態の時にレントゲンを撮ると、椎間板が飛び出しているにも関わらず痛みを感じていないことを確認できるはずです。
どうして腰椎椎間板ヘルニアは慢性腰痛の原因と言われるの?
さて、ここまでは椎間板ヘルニアによって起こる症状と、痛みの発生メカニズムについて書いてきました。ただ、椎間板ヘルニアによって発生する痛みは、一時的なもので慢性的な痛みではないこともお伝えしました。
それでは、どうして腰椎椎間板ヘルニアは腰痛の原因だと勘違いされているのでしょうか。
実は腰痛の原因と腰椎椎間板ヘルニアを引き起こす原因が全く同じだからなのです。
腰椎椎間板ヘルニアと腰痛の関係性についてはすでに「椎間板ヘルニアは原因ではない、結果だ!」で書いていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
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