長時間座っていると腰痛になる?
長時間座っているとじわじわと痛みが出てくるので、長時間座っていることが腰痛の原因と思っている人は多いのではないでしょうか。
ところが実際は違います。今回は座っている時、特に長時間座っているときに痛みが出てくる腰痛の痛みの発生メカニズムと対策をお伝えします。
私たちがここでお伝えしている内容は、あくまでも今までの施術を通して得てきたことですので、世間一般で言われていることと違うことを話します。最初は少し混乱されるかもしれませんが、座っていると痛みが出てくる腰痛で困っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
痛みと筋肉が硬くなるメカニズムは別物
よく皆さんが混同してしまうのが、筋肉の硬くなるメカニズムと痛みが発生するメカニズム。一見同じように思えますが、実は二つとも全く別物です。もちろん、関連性はあるのですが、この二つのことを同じものだと考えると腰痛を改善することがなかなかできないのです。
痛みを感じるメカニズム
長時間座っているときに起きる痛みの発生メカニズムは以下の通りです。
血流が悪くなると、必要な栄養素や酸素が届かなくなるので、より多くの血液を流すために、「ブラジキニン」という、血管を拡張して血流を促進する化学物質を生成し始めます。このブラジキニンは、痛みを感じる物質でもあるので、長時間座っていて血流が悪くなってくると、痛みを感じはじめるのです。
そして立ち上がって、しばらく動き回ると血流が良くなって、ブラジキニンが生成されなくなるので痛みはなくなります。
でも、ここで不思議に思いますよね?それだったら長時間座っている人はみんな痛みを感じていいはずなのに、全く平気な人と、そうでない人がいる。
その通りなのです!それでは、次はその事についてご説明いたします。
長時間座っていている時に痛みが出る人と出ない人の違い
通常、私たちは長時間がじっとしていても、ブラジキニンが生成されるようなことは起こりません。では、ずっと座っていると腰痛になる人は、どうしてブラジキニンが生成されるような事になるのでしょうか。
もし、何かが血管を圧迫していて、血流を悪くしているのだとしたらどうでしょうか?血管が圧迫されてタダでさえ血流が悪い状態なのに、じっと動かない事によってさらに血流が悪くなっているのだとしたら…。
この状態の時は、さすがにそのままでは悪い影響が出てしまいますので、何かしらの方法で血流を促進する必要がありますよね?
実はこのような状態の時にブラジキニンが生成されるのです。
それでは、血管を圧迫して血流を悪くしている犯人は誰なのでしょうか?
血管を圧迫して血流を悪くしている犯人
皆さんは血管を圧迫して血流を悪くしている犯人は誰だと思いますか?
なんとなく、犯人の正体はイメージできているのではないでしょうか。
犯人は「硬くなった筋肉」なのです。では、硬くなった筋肉の状態ってどんな状態でしょうか。
- 短く縮んでいる
- 硬い
- 太い
筋肉が硬くなるメカニズム
では、筋肉はどのようにして硬くなるのでしょうか。
筋肉が硬くなるメカニズムについては、別の記事で詳しく書いていますので、こちらをご覧ください。
ここでは、簡単に説明します。
筋肉は負担がかかると、筋肉そのものを守るためにぎゅっと縮む仕組みがあります。この仕組みがそのまま作用し続けている状態が、硬くなった筋肉の正体です。
一般的には、コリとか、拘縮などと表現していますが、私たちはこの筋肉の守る仕組みが車のシートベルトのロックする仕組みに非常に似ていることから、「筋肉ロック」と表現しています。
長時間座っているから、腰痛になるのではない
長時間座っているから腰痛が悪化したのではなく、血流が悪くなるので痛みを感じているのです。その血流の悪さを作り出しているのが筋肉のロック。もともと痛みを感じやすい血流の悪い状態で、長時間座っているから痛みを感じているのです。
つまり、いくら体を動かしたり、温めたりして血流を良くしたとところで、筋肉のロックを取らない限りは、血流が悪くなるとすぐに痛みが出てくるのです。
長時間座っていると痛みが出てくる腰痛を改善するには
長時間座っていると痛みが出てくる腰痛は、筋肉のロックを解除しない限りは、繰り返し痛みが出てきます。
このようなケースで筋肉のロックを解除をするために、私たちが主にアプローチしている筋肉は、
- 大腰筋
- 腰方形筋
- 中臀筋
- 胸最長筋
- 腰腸肋筋
- 腰方形筋
などです。
