腰痛の原因筋と股関節痛の関係

腰痛の原因となっている筋肉とは?

腰痛の原因となっている筋肉と股関節痛の原因となっている筋肉には共通点があります。
腰痛、股関節痛はどのように起き、何が原因で痛みを引き起こしているのかを今回は解説したいと思います。

まずは腰痛の原因となっている筋肉について、再度お話をしたいと思います。
慢性腰痛の場合、一般には背中側の筋肉が凝っていたり、張っていたり、筋力の低下などが原因で起きていると思っている方が多くいらっしゃると思います。しかし、腰側に出ている痛みはあくまで結果であり、原因ではありません

原因となっている筋肉は、痛みが出ている背中側の筋肉に拮抗する筋肉、つまり背骨・骨盤の前側を通っている筋肉になります。
もっと正確に言うと、股関節の前側を跨ぐ筋肉(主に大腰筋・小臀筋・大腿直筋・腸骨筋など)の筋拘縮が腰痛の根本原因なのです。
ここで言っている「筋肉のロック」とは、筋肉が守る仕組みによって硬くなっている状態のことで、一般的に「凝っている筋肉」と表現されています。
この筋拘縮には、硬くなる以外にも特徴があり、これを「筋拘縮の3徴」と言います。

筋拘縮の3徴
  • 硬くなる
  • 短くなる
  • 太くなる

股関節の前側を跨ぐ筋肉が筋拘縮になってしまうと、股関節を曲げる力がかかり、自然と猫背や反り腰のような姿勢になってしまいます。姿勢を維持するためには、背中側の筋肉がその力と同等以上に力を入れないとけなくなり、股関節の前側の筋拘縮が多くなれば多くなるほど背中側への負担は大きくなります。この状態が続くと、背中側に慢性的に負荷がかかり続け、腰に痛みが出てしまうのです。
以前書いた別の記事で紹介していますので、さらに詳しく知りたい方は以下のをご参考ください。

腰痛の原因は骨ではなく筋肉だった!腰痛のメカニズムを詳しく解説

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股関節痛はどうやって起きる?

ここまでは、腰痛に関係のある筋肉についてお伝えしました。ここからは股関節痛についてお話ししますが、その前に股関節の働きや形について触れてみようと思います。

股関節は、太ももの骨の上端の骨頭が骨盤のくぼみにはまり込んでいて、前後、左右、回したり自由自在に動かすことができます。
関節の表面には厚さ2~4mm程度の関節軟骨があり、健康な軟骨は股関節にかかる体重を吸収しながら、非常に滑らかに動きます。
この関節軟骨がすり減り、骨も変形してしまった状態が「変形性股関節症」です。
また、大腿骨は骨頭のおよそ2/3が骨盤のくぼみに入り込んでいるので、安定して体重を支えることができているのですが、このくぼみが浅い状態を「臼蓋形成不全」と言います。

さて、股関節の働きや形がイメージ出来たところで、股関節痛が起きる仕組みをお話します。
股関節の周りには多くの筋肉がついています。特に股関節の前側には腰痛の原因となっている筋肉と同じ筋肉が通っており、それ以外にも骨盤の横から後ろにかけても多くの筋肉がついています。
股関節の関節軟骨には普段から体重や股関節を動かした際に負荷がかかっていますが、軟骨が潰れるほどの負荷がかかることはなく、自由に動かすことができます。正常な状態であれば、軟骨のお陰で太ももの骨の頭と骨盤のくぼみ間に遊びがあります。
ところが、股関節周りの筋肉が筋拘縮になると、この状態が一変します。

筋拘縮した筋肉の特徴を思い出してみてください。筋拘縮した筋肉は「太く・短く・硬い」状態にあります。本来であれば伸び縮みできる筋肉が筋拘縮してしまうと、太ももの骨の頭を骨盤のくぼみに押し付ける力が生じてしまいます。

股関節の前を跨ぐ筋肉の筋拘縮が痛みの原因の1つ

もう少しわかりやすく説明すると、股関節の前を跨ぐ筋肉が多く筋拘縮になったとします。その筋肉は太ももを後ろに伸ばしたり、腰を反らしたりする際に伸ばされる筋肉ですが、筋拘縮して筋肉が伸びない状態で無理に股関節を伸ばすと、どうなってしまうでしょうか?

イメージしやすいように、よくラーメン屋さんなどに置いてある「にんにく潰し」を例に話してみます。にんにく潰しはテコの原理を使って、にんにくに負荷をかけて潰しますが、もし、このにんにく潰しの蝶番の部分がよく伸びるゴムでできていたらどうなるでしょうか。いくらレバーを握ってもゴムが伸びてにんにくが潰れることはないですよね。にんにく潰しは蝶番の部分が伸びないからこそ、にんにくに負荷をかけて潰すことができるのです。

股関節周りの筋肉が筋拘縮になってしまうと、股関節の関節軟骨には、このにんにく潰しと同じことが起きてしまうのです。
本来伸びるはずの筋肉が伸びず、硬く短くなっていると、その部分が蝶番のようになってしまいます。太ももの骨はにんにく潰しのレバーに当たります。太ももの骨は股関節を跨いでいる筋肉に比べて非常に長いので、レバーの長いにんにく潰しをイメージすると分かりやすいかもしれません。レバーが長くなればなるほどテコの原理が働いて、少ない力でにんにくを潰すことができますよね。

そして、関節軟骨がにんにく潰しのにんにくに該当します。

股関節を跨いでいる筋肉が筋拘縮になってしまうと、伸ばそうとしても筋肉は縮んだままの状態を維持してしまいますので、蝶番のようになります。そのような状態で歩くと、テコの原理が働いた状態で関節軟骨を押しつぶす負荷がかかりつづけることになります。そうなると慢性的な関節炎を引き起こし、股関節痛が発生してしまいます。さらにその状態が長く続くと軟骨や骨がすり減り、太ももの骨の骨頭と骨盤のくぼみが狭くなり、結果「変形性股関節症」となります。加齢現象によって軟骨がすり減るという話もよく聞きますが、若い方でも股関節痛に罹る方は多くいらっしゃるので、年齢はというよりは、筋肉の筋拘縮が軟骨をすり減らしている可能性があると言えます。

股関節痛を引き起こす原因となる筋は?

股関節痛には股関節の周りの筋拘縮が関係するとお話しましたが、では具体的にどのような筋肉があるのでしょうか?動きごとに分類してみます。

股関節を曲げる時に痛みが出る場合
  • 大内転筋
股関節を伸ばす時に痛みが出る場合
  • 恥骨筋
  • 大腰筋
  • 小臀筋(前側)
股関節を外に開く時に痛みが出る場合
  • 大内転筋
  • 長内転筋
  • 中臀筋

複数の動きで痛みが出てくる場合、その動きの際に本来伸びてくるはずの筋肉が筋拘縮していることが股関節痛の原因となっていると考えられます。
筋肉の筋拘縮が原因で痛みが出ているのであれば、まずは緩めて柔らかくすること が先決です。
筋肉を緩めるとはどういうことなのか詳しくは知りたい方はこちらのページもご覧ください。

腰を反らすと腰が痛くなる方は必読!本当の痛みの原因は・・・

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腰痛と股関節痛の原因筋は同じ?

腰痛の原因筋として、大腰筋・腸骨筋・小臀筋などを挙げましたが、股関節痛も腰痛と同じようように大腰筋や小臀筋が関係しています。
私たちの経験上、まずいきなり股関節痛になるということは少なく、腰痛を患ってから股関節痛になる方が多いです。
腰痛の原因を放っておくと、筋拘縮した筋肉をカバーするために股関節周りの筋肉も徐々に硬くなっていきます。筋拘縮の筋肉が増えると、股関節の軟骨に負荷がかかるようになります。最初のうちは股関節の痛みは出ないのですが、筋拘縮している筋肉がたくさん増えて軟骨を潰すほどの負荷がかかるようになると、そこで初めて股関節に痛みを感じるようになります。

もし、今腰痛があったり、股関節の動きが悪くなってきたという自覚がある方は
股関節痛予備軍です。まずはしっかりと腰痛の原因筋を緩め、その後に股関節周りの筋肉を緩める必要があります。


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筋肉チューニング整体院UROOMにおける筋肉チューニングとは、筋肉を調律、調整、同調させて、筋拘縮や筋攣縮を解除する手法です。カウンターストレイン、筋膜リリース、仙腸関節調節法、MET、MPFなどの既成手技を独自改良した新手技を駆使して体全体の筋肉をニュートラルな状態に近づける現代版の整体施術です。これまで常識とされてきた神経が痛みの原因という神経原因説から、新たに筋肉原因説の研究が進んでいます。筋肉チューニングは痛みや不調の原因と思われる筋肉に直接アプローチする整体術はUROOMで受けることができます。