腰痛クッションの選び方と、根本的に腰痛を改善する方法

車の運転、事務仕事で長時間座っていると腰が痛くなることがありますよね。自分に合った椅子などを利用するなどの対処方法がありますが、椅子はあちこちに持ち歩けないので、もっと手軽な方法として腰痛クッションを利用する方法があります。今回は、長年筋肉をみてきた観点から腰痛クッションについて書いてみようと思います。

腰痛になるメカニズムと痛みを感じるメカニズムは別物

そもそも、どうして長時間座っていると痛みが出てきてしまうのでしょうか。気をつけないといけないことは、腰痛になるメカニズムと、腰痛の痛みを感じるメカニズムは別物だということです。腰痛持ちの人は長時間座っていると痛みが出てくることが多いですが、これは腰痛が悪化しているのではなく、痛みを感じやすい状態になっているから、痛みが強く出ているように感じているのです。この二つのメカニズムをごちゃ混ぜにしてしまうと、腰痛の本当の姿が見えなくなってしまいますし、自分に合わないクッションをいくつも購入したりするなどの無駄な買い物をしてしまうことになります。
それでは、早速痛みのメカニズムから説明してみましょう。

痛みを感じるメカニズム

腰痛の痛みを感じるメカニズムはいくつかありますが、ここでは内臓の病気などの原因は省いて、一般的に一番多い腰痛のケースで話をします。

座っている時にじわじわと感じる痛みは、血流不足が主な原因です。長時間同じ姿勢で座っていると、血流が悪くなります。血流が悪くなると、血液によって運ばれる酸素や栄養が細胞に届けられなくなります。酸素や栄養が届かないと、細胞は困ったことになってしまいますので、この状況をなんとかしようと血流を促進させる努力をし始めます。血管を拡張して血流を促進させるブラジキニンなどの化学物質を生成して血流を促そうとするのですが、このブラジキニンが痛みを感じる物質でもあるのです。血流を促進する役目と同時に、「酸素などが不足していますよ!」ということを痛みを通して知らせる役目も担っているのです。

じっと同じ姿勢をしている状態から、動き出す時に一瞬痛みが強く出てしまうのは、この物質が一気に拡散するからなのです。その後しばらく体を動かしていると、血流不足が解消されてブラジキニンが生成されなくなるので痛みは消えます。

長時間座っていても痛みが出ない人と出る人がいるのはなぜ?

座っているときに出てくる痛みは血流不足が原因ですが、それではなぜ長時間座っていても痛みが出る人と、出ない人がいるのでしょうか。長時間座っていれば誰でも動いているよりも血流は悪くなるはずです。
ここからが、今度は腰痛になるメカニズムの話になります。

どうして筋肉は筋拘縮になるの?

解剖生理学的に筋拘縮のメカニズムを説明するとややこしくなるので、ここでは簡単に説明します。

皆さんは、どのようなシチュエーションの時に筋肉に力をいれたくなるでしょうか。リラックスしている時?それとも危険が身に迫っている時?

おそらく危険が身に迫っている時の方が、グッと体に力が入るはずです。一言で筋拘縮を説明すると、「守る仕組み」なのです。厳密にいうと筋肉そのものを守る仕組みなのですが、結果的に関節なども守ることになるので、シンプルに「体を守る仕組み」とイメージしていただいても大丈夫です。
このぎゅっと力を入れて守る仕組みが、条件が重なって解除されなくなっている状態が「筋拘縮」です。

長時間同じ姿勢でいると痛みが出てきてしまうので、ついつい長時間座っていること自体が腰痛の原因だと考えてしまうのですが、厳密には違います。
筋肉にとって一番の「負荷」とは、伸ばされることです。長時間同じ姿勢で座っていると、血流が悪くなってきます。血流が悪くなると筋肉に必要な酸素や栄養が届かなくなります。そうなると、筋肉にとっての環境はどんどん悪くなりますので、負荷に対して敏感になってきます。この敏感になっている時に、急に筋肉が伸ばされると筋肉はびっくりして守る仕組みを発動させてしまうのです。つまり長時間座っている時に筋肉が筋拘縮になるのではなく、長時間座って筋肉が負荷に対して敏感になっている時に急に立ち上がると、筋肉は筋拘縮になるのです。

1回1回の筋拘縮はごくわずかですので、最初のうちは全く問題は起きないのですが、これが繰り返されると筋拘縮が蓄積して痛みや不快感を感じるようになります。

腰痛は硬くなった筋拘縮の状態の筋肉が原因

じっと同じ姿勢でいると確かに血流は悪くなります。ただそれだけで痛みが出るほど血流が悪くなるわけではありません。
筋拘縮の筋肉は、力を入れている状態と同じですから、力が抜けている正常な状態の筋肉よりも、短く、硬く、太くなっています。
腕に力こぶを作るとわかりやすいですよね。力をいれているときは、腕の筋肉は短く、硬く、そしてモコっと太くなっています。力を抜いていてもこの状態がキープされているのが「筋拘縮」です。

硬くて太い筋肉が増えると、どうなるでしょう。そう、筋肉の間や中を通っている毛細血管などを圧迫してしまいます。圧迫された血管が増えると血流が悪くなってしまいます。
筋拘縮の筋肉の量が少ない人は、じっとしていても深刻な血流不足にはなりませんが、筋拘縮の筋肉が多い人は、ただでさえ血流が悪くなっているのに、じっとしていることによってさらに血流が悪くなってしまいます。

じっと座っていて痛みが出る人は、長時間座っていても痛みが出ない人に比べて、筋拘縮の筋肉が多いのです。

どうしても辛い時は

私たちは筋肉の守る仕組みが解除される姿勢を一定時間維持することによって、筋肉を本来の柔らかさに戻しています。腰痛は特定の姿勢をとることによって、楽になるのです。どうしても辛い時は、応急処置的に座っている姿勢が楽になるようにクッションを利用してもいいと思います。

ただ、忘れて欲しくないのが、クッションで例え楽になったとしても、決して根本的に腰痛が改善されているわけでないということです。
また、もしクッションを購入されるのでしたら、ぜひ実物を試してから購入してください。腰痛が楽になる姿勢というのは筋拘縮の筋肉の位置と量によって変わりますので、ネットで商品の評判を調べるだけでなく、実際に現物を試して、腰痛が楽になる物を購入してみてください。ただし、たとえ自分にあったクッションを購入できたとしても、筋拘縮の状態が変わると、そのクッションが合わなくなってしまう可能性もあります。

腰痛クッションを導入するのであれば(まとめ)

  • 実際に使用して、合っている物を購入する
  • 最初は自分に合っていたクッションも、体の状態によっては合わなくなるかもしれない
  • クッションで腰痛が根本的に改善するわけではないので、根本的に腰痛を改善してクッションが必要ない体にする(筋拘縮を解除する)

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