腰椎分離症や側弯症の診断を受けた発育年代のコルセットと【筋拘縮】について

腰椎分離症とは

「腰椎分離症(ようついぶんりしょう)」とは、スポーツなどによって繰り返される腰椎(腰の背骨)への伸展(後ろに反る)と回旋ストレスを原因とする関節突起間部の疲労骨折で、発育期のスポーツ選手に好発され、腰部に繰り返しストレスがかかることで生じるとされています。

分離症が進行すると分離すべり症へと移行、重篤な症状が現れる可能性があるとされます。その症状としては下半身の痛みやしびれ、動きにくさ、感じにくさ、排尿や排便の障害などの症状が現れるとされます。

側弯症とは

「側弯症(そくわんしょう)」とは、背骨が左右に弯曲した状態で背骨自体のねじれを伴うことがあり、通常は小児期や発育期にみられる脊柱変形を指します。 左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭(きょうかく)の変形、肋骨や腰部の隆起(前かがみをした姿勢で後ろから背中をみた場合)などの変形を生じるとされています。

側弯が進行すると腰背部痛や心肺機能の低下をきたすことがあるとされています。1979年度に導入された側弯症学校検診、2016年度からは運動器学校検診が開始されその中に側弯症検診も含まれるようになり、発育年代での整形外科による診断が年々増加している傾向はあるのではないかと思います。

この2つの診断後に共通して行われる治療方法として「装具療法」が選択されることが多い。

装具療法とは?

「装具」は、失われた身体機能の補助・傷病の治療・変形の矯正などの目的で使用する、身体外部に装着する機器の総称。目的は、膝関節や股関節など各関節にかかる負担を軽くすることと関節を安定させることです。

膝のサポーター、腰のコルセット、足の足底板、歩行時の杖など様々な種類の装具がある。

腰椎分離症と側弯症と装具療法

「腰椎分離症」「側弯症」ともにコルセットを使用した装具療法を行うことが多いです。

腰椎分離症は発生時期や状態によって治療時期などが変わりますが、発生初期の段階の分離症に対しては骨癒合を目指した根治治療のために、まずコルセットを装着し、骨の癒合状況に応じて3ヶ月から12ヶ月間のスポーツ中止を指導することが多い。

側弯症も発生時期や状態によって変わりますが、1 日のうちの装着時間は成長や側弯の程度に応じて医師が指示を行い成長期には一般的には16時間から23時間の装着することもある。装具治療は成長が終わるまで必要であり、背骨の弯曲の程度の指標である「コブ角」や骨盤の腸骨部分を見て指標を評価して背骨の成⻑程度を把握する「リッサーサイン(Risser sign)」で成長・発育状態を確認していくことが多い。

腰椎の関節突起に生じる疲労骨折で上記は発育性腰椎分離症と言われる1つ

 コブ角が10°以上だと側弯症と診断される

アンダーアーム装具と呼ばれる側弯症装具の1つ

疲労骨折部の骨癒合、骨の転移、治療期間の再受傷の防止、側弯症の進行防止、症状の軽減…

上記の目的でほとんど1日中装具を装着し続ける生活が続きます…

大人になって腰痛や何かしらの痛みでコルセットやサポーターなどを装着したことがある方もいるかもしれませんが、あの密着感と動きが制限される感じが1日中だとかなりのストレスになると思います。

特に上記2つの診断で処方される装具は大柄で硬さの強いものが多いです。

発育年代で体を充分に動かすことが大事な時期に、体の中心である背骨や骨盤周囲の動きに制限があるということは体もですが心の成長や問題にも繋がる可能性があるかもしれません。

海外ではシュロス法シュロス式運動療法と呼ばれる側弯症の運動療法があります。

シェロス法は側弯症などの脊柱弯曲異常に対し身体を肩・胸・腰・骨盤のブロックに分け、それぞれのブロックが3次元的にどのような位置関係にあるかを評価し修正を促す治療法で、脊柱の異常を修正するため他動的な治療のみならず呼吸運動を中心とした自己修正運動を促進すると言われています。

シュロス法をDr.Weissが現代的により簡単に実践しやすく改良したのがシュロス式側弯症運動療法(エクササイズ、トレーニング)のようです。

装具を装着し続けると【筋拘縮】はどうなるか

コルセットを装着することで背骨、骨盤の動きは阻害されます。

コルセットの種類によっては肩甲骨の高さまであり上半身の動きが阻害される場合もあります。

さらに装着時の圧迫による装具が当たり続け血流循環が悪くなる可能性も高いです。

筋肉が硬く縮こまり続ける状態【筋拘縮】が起こる条件としては最悪な状態だと思います。

背骨は頸椎、胸椎、腰椎の24個の骨から構成される自由度の高い関節で、背骨が屈曲、伸展、側屈、回旋、前弯、後弯、側弯と動きとしても様々な動きを伴うことでヒトの動きに重要な骨格構造になります。

そんな背骨に付着するのが「脊柱起立筋」と呼ばれる姿勢維持に必要不可欠な体の上下を支えるような筋肉、腕から背骨や骨盤に大きく幅広く覆う「広背筋」、自由度の高い肩甲骨から背骨について安定感と自由度を担っている「菱形筋」などがあります。

他にも、呼吸機能を担う肋骨と骨盤を繋ぐ「腰方形筋」、腰椎から腹部全体を筒状に覆う「腹横筋」など体の中心含めた重要な筋肉への影響は強くなってくる可能性があります。

腰椎分離症では骨折部位ではない箇所に痛みの訴えがあったり、側弯症でもコブ角の強い部位でなく違う箇所に痛みの訴えがある方が多く見られます。

「長く続く痛みの原因のほとんどが神経ではなく、筋肉が硬く縮こまり血管が圧迫されることで起きる血流障害」

骨折箇所、変形などと痛みの関係性が一致しない【筋拘縮】による症状の可能性もあるので、そこは一度筋肉の状態を確認することは大切です。

【筋拘縮】については一度下記の記事を確認してください。

【筋拘縮】を解除することは骨の適切な成長にもプラス?

体のどの部分にも言えることですが、組織が適切な成長や発達をするためには充分な血流の確保が必要です。

筋肉が硬く縮こまる状態【筋拘縮】が続くということは、筋肉内や筋肉周囲に多数ある大小無数の血管が圧迫されて循環不全になる可能性が高いです。

その状態では血流が滞ることで組織に充分に適切に「血」が届かない可能性も高くなるのではないでしょうか…

さらに【筋拘縮】は適切な骨の動きも阻害します。

関節の動きが悪くスムーズな動きが起きず、可動域の制限と偏った動きしかできなくなる可能性があります。

先ほどお伝えした通り背骨は自由度の高い関節で構成されています。

それが、元々自由度の高い関節に制限と偏った動きしかできにくくなるとそもそもの骨の成長にも悪影響を及ぼす可能性が高くなるのではないでしょうか…

あきらかに体への影響が強くコルセットを使用しなければならない骨の状態もあると思います。

ですが、その状態でも一度筋肉の状態は確認する必要があります!

腰椎分離症の骨癒合の完了、側弯症の骨成長が緩やかになった時期などそれにコルセットを外した時期に背中、腰、首など体全体の筋肉が硬く縮こまった状態になっている子どもを多くみます。

【筋拘縮】へのセルフケアを発症時から導入することで治療経過が違ってくる可能性もあります。

それだけでなく、幼少期からの筋肉のケアは発症予防の可能性があるかもしれません。

それは、先ほどお伝えした「血」が組織に充分に確保され骨が適切に動くことができるからです!

標準医療が見逃している筋肉がロックして硬く縮こまった状態【筋拘縮】の概念筋拘縮を解除する徒手技術【筋肉チューニング】を知る方が増えることで、発育年代の生活や楽しみの悩みとなっている痛みや苦しみや症状が少しでも解決でき楽しめることが子どもが増えて欲しいと思います。

UROOM

*UROOMは【筋拘縮】を筋肉チューニングという手法により解除することで様々な症状の解決に導く整体院です。


腰痛でお悩みなら筋肉チューニングをお試しください!

固くなった筋肉の強張り(ロック)を緩めることで痛みや不調をとる、筋肉にとてもやさしい新しい整体術です。これまで常識とされてきた神経が痛みの原因という概念ではなく、筋肉に痛みの原因があると考え、不調の原因と思われる”筋肉”に直接アプローチする新しい施術法が筋肉チューニングです。



腰痛改善の鍵は高たんぱく質


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ABOUTこの記事をかいた人

幼少期からサッカーに没頭し、家族やチームメイトなど関わってきた全ての方の助けもあり、小学校で全国大会優勝、高校で静岡県大会優勝の経験をさせて頂きました。しかし、高校時代に怪我による身体感覚の変化を経て「自分の體はプロでは通用しない」と自覚し、理学療法士の道を選択しました。 理学療法士として勤務した11年間で、担当した患者数は約5万人。 そんな多くの出会いや経験をさせて頂く中でよりヒトの探求していき、體の可能性と凄さを知ることで強さとしなやかさを引き出し、支え、手放せる存在になる為日々鍛錬中。 現在は筋肉チューニング、栄養ストラテジー、リアクティベーション、メタトロン波動測定など【MTR Method™️】を様々な形で伝えている。